みやぎグリーンウォーカー
第2回 富士ゼロックス宮城株式会社
今回私たちは、富士ゼロックス宮城株式会社で、管理本部長の大堀さんと佐々木さんにお話を伺ってきました。富士ゼロックスといえば、複合機等オフィス機器が有名ですが、それだけでなくドキュメント(文書)全般を扱っています。文書はオフィス事業には必ずついて回るものです。その文書の管理についての問題解決とサポートを、ハード面ソフト面含めたさまざまな形で提供しています。文書管理を効率化してオフィスでの環境負荷を軽減するという意味で、環境とは切り離せない事業を行っているといえます。そのためもあってか、社内では環境への配慮が徹底していました。今では、会社内で啓発活動などを行わなくても、節電や室温設定など細かな取り組みが自然にできていて、とても理想的だと思いました。2001年にISO14001も取得しています。
クローズド・ループ・システム??閉じた輪の中で循環させる
富士ゼロックス宮城では、古くなった製品を回収し、分解して、まだ使える部品を再利用し、資源をリサイクルしています。これにより、回収された複合機の99.97%が再資源化されるそうです。市場に出た商品を回収し、閉じた輪の中で部品を循環させる。その循環システムが「クローズド・ループ・システム」。ただ商品を売り出すだけでなく、使われなくなったら回収して、廃棄はゼロにする。自分たちの作ったものを最初から最後まで責任を持って管理する素晴らしいシステムだと思います。
また、現在市場に出ているエコマーク認定機の比率は65%で、売り出しているものについてはほぼ全てにエコマークがついているそうです。さらに、古紙とともに、持続的な森林管理がされているとFSC認証されたニュージーランドの植林地の木材パルプを配合した紙を開発するなど、オフィス機器以外にも環境に配慮した製品を送り出しています。
紙を減らす取り組み--書類の電子化
富士ゼロックス宮城では、紙の使用量を減らす取り組みの1つとして、書類の電子化を提案しています。そのために開発したのが「DocuWorks」というパソコン用ソフト。書類を電子化することで、紙の使用量を減らしなおかつ、ワードやエクセルなどの電子文書と一緒にPC上で取り扱いが出来、メールに添付しても圧縮型で送れる利点があります。さらに、文書共有ソフトと連携すれば参照したい書類へ即座にアクセスできます。まさに環境にやさしい上に手間も省ける、一石二鳥のソフトです!このように、オフィス事務のシステムを作ることで事業の効率化と環境負荷の低減を進めることも富士ゼロックスの重要な事業の一つです。システム作りという根本的なものにかかわっているため、この事業の社会的な期待やその可能性は大きいなと感じました。また、富士ゼロックス宮城の事務所内では、会社案内に代表されるパンフレット類を作り貯めせず、会社の情報をホームページで参照できるようにし必要なときに必要なだけ印刷するなど、紙の使用を必要最小限にとどめる取り組みが随所に見受けられました。
シュレッダーも環境に優しく
以前は社内で書類の裏紙の使用を推進していたそうですが、個人情報保護法が制定されたために、裏紙の使用は以前よりも制限されてしまいました。個人情報の記載のあるものはシュレッダーで処理しなければならないのです。しかし、富士ゼロックス製品はシュレッダーも環境に優しいのです!従来のシュレッダーでは紙を切断する際に繊維も傷めてしまうため、処理した紙は再利用できませんでした。そこで、富士ゼロックスさんは紙を引っかくようにしてバラバラにする、繊維をいためないシュレッダーを開発。その上、処理された紙の分量も従来のものと比べて圧倒的に少ないのです。

元が同じ量の紙でも、従来の細長く切るシュレッダー(左二つ)と富士ゼロックスさんのシュレッダー(右端・後ろの機械)ではこんなに違う!

処理された紙は固形になって出てきます。
環境コラボレーションでノウハウの共有
富士ゼロックス宮城では社内や製品を通じて環境保全に取り組むだけでなく、そのノウハウを他の事業者に提供する取り組みも行っています。それが「環境コラボレーション」。本社ビルの一階には「コラボレーションルーム」があり、そこでは他の企業と環境に優しい取り組みを相互に研究しあうことができます。具体的には、ISO取得を目指している企業へアドバイスをしたり、環境管理の導入や効率化をしたい事業者の相談に乗ったりしているそうです。自分たちだけでなく、製品を買ってくれた先でも環境に優しい活動を実践してもらうために、ノウハウを共有する。広い視野で環境保全を考えているのだということがわかる、ユニークな取り組みです。
「モノ」売りではなく「コト」売り
お話を伺った大堀さんの言葉で印象深かったのが、「モノ売りではなくコト売り」だということ。製品自体(モノ)の対価ではなく、環境に優しいという仕組み(コト)の対価で買って頂く、「サービス営業」を心がけているのだそうです。安いだけの製品なら他にもあるでしょうが、環境に優しいシステムの元で作られ、使用できることを価値とした製品を売っているのが富士ゼロックス宮城なのです。さらに、商品を買ってくれたお客様が、その商品を買った後もきちんとシステムを運用し、環境負荷の少ない事業を続けることができるように、一対一のアフターサービスも心がけているということです。このように、販売者としての責任をしっかりと持ち、製品やサービスを通した人と人の関係を基盤にビジネスが展開されていくのが、「モノ」を売るこれまでの大量生産大量消費の社会とは違った、「コト」を売る情報化、環境配慮型の社会なのではないかと思いました。
■ 感想
自分たちの社内でだけ環境に配慮するのではなく、そのノウハウを他の会社と共有するなど、本当に全国規模、地球規模で環境問題に取り組んでいるのだということが感じられました。また、ボランティアなどの地域に密着した活動にも参加されているとのことで、人にも環境にも優しい会社なのだなあと思いました。そういったことを「構えないでやれるようになった」と大堀さんがおっしゃっていて、それはとても大事なことだと思いました。私も「環境のため」などと構えずに、環境に優しいことを実践していけたらいいなと思います。もちろん、そういうシステムを作ることも大切。富士ゼロックス宮城さんはそのことに取り組んでいる企業なのだということがわかりました。
(大友)
今回取材をして、富士ゼロックス宮城でされている環境対策は周りをリードする立場にあるということを感じました。その理由は、取材中にも話に挙がりましたが、富士ゼロックスという企業がやっている事業が、それ自体環境への取り組みと言っていいくらい環境問題と密接にかかわっているからだと思います。そして、周りをリードする身として、環境にいいもの、いいことを発信、提供することに重点を置いているようでした。環境問題に取り組むにあたって、まずは自分が変わらなければなりませんが、次にはそれを周りに伝えなければなりません。富士ゼロックス宮城はきっとそのステップに進んだ企業なのだと思います。その意味でもやはり先進的な事業であるとともに、とてもやりがいのある事業だなと感じました。また、取材をする中で聞いたお話はどれもとても勉強になり有意義な時間にすることができました。特に、紙は古紙100%という今までによく聞いたやり方とは違う、木を育てて管理しながら使っていくという考え方や、市場に出した製品の回収、製品を買った後のアフターサービスといった自分の製品に対する責任のあり方など、私にとって新鮮でとても面白くお話を聞けました。
(丸山)
取材メンバー自己紹介
大友美里
東北大学文学部社会学専修二年
環境問題に関する企業の取り組みに興味があり、参加しました。インタビュー経験はこれが初めてですが、頑張ります!
吉良洋輔
東北大学文学部行動科学専修二年
九州の大分出身ですが、東北の自然もすぐに好きになりました。環境と社会の関係について興味があります。
丸山浩司
東北大学文学部倫理学専修三年
仙台は三年目ですが、過ごしやすい気候といろいろな人と話せる環境が気に入っています。環境問題に対しては、持続可能という言葉に特に興味があります。


