「エコ座談会 Vol.13」

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仙台トーホー事務機株式会社代表取締役兼東北事務機協会の会長として、みやぎグリーン購入ネットワークの会計監事を務めていただいている齋藤和平氏に、文具・事務機業界についてお話を伺いました。

山岡
齋藤社長、本日はお忙しいところエコ対談をお引き受けいただきありがとうございます。東北事務機協会の会長として、みやぎグリーン購入ネットワークの会計監事を務めていただきありがとうございます。早速ですが、現在の文具業界やネットワークについて常日頃考えていらっしゃるところをお話いただければ幸いです。

●文具・事務機業界について

齋藤
齋藤社長近頃文具店は廃業しているところが多くなっています。今から55年前に仙台文具事務用品組合と卸組合と東北事務機協会の三団体がありましたが、二つは解散し、東北事務機協会だけになりました。私は東北事務機協会の会長としてみやぎGPNでは会計監事を務めています。東北事務機協会には販売店も加入していますが、宮城県全般の地元のナンバーワンの販売店に加入してもらっています。そうしないと維持できませんから。
 事務機協会は、毎月情報交換として食事をしながら業界の話をし、ビジネスチャンスとなる話や業界の現状を報告し合い、盛んに交流しています。ただメーカーさんや販売店さんが退会するケースもあり頭を痛めています。
山岡
メーカーはなぜ辞めていくのでしょうか。せっかくコミュニケーションがとれていたのに、地方では情報交換しなくていいよ、ということでしょうか。
齋藤
はい。そうですね。当初はメーカーや卸商、販売店が集まって東北事務機協会を設立しました。その当時、昭和40年後半から50年にかけて事務機械や大型コンピューター等を展示し見せる場がないため、メーカーや卸商、販売店などが協力してビジネスショーを開催していました。第1回が河北ビジネスショーとして河北新報が主催でしたが、次年度からは東北事務機協会が設立し主催することとなりました。東京でも多くの展示会を開きましたが、そのうちメーカーが単独で開催するようになりましたので展示会は開催していませんが、ここまでやってきたのだから、みんなで元気な顔をあわせ業界を盛り上げるためにも、東北事務機協会は継続させています。業界を盛り上げるという意味もありますが、3.11震災復興のために東北事務機協会会員に呼びかけ広告宣伝をしました。グリーン購入ネットワークも特集を組んで啓発するといいと思いますね。
山岡
はい、おっしゃる通りです。

●入札の現状

齋藤
我社は卸商で、リコーのディーラーなので、おかげさまで商売を続けていられますが、信じられないような価格で入札がされています。1千万円売っても利益は3万円しかないという例もあり厳しい状況ですね。しかし、商品は確かなものを納めることに変わりはありません。メーカーが後押しするしかない。例えばカタログで、100枚入りのクリアーファイル。「グリーン購入法」、「GPN掲載」と表示されたものは5,600円。その隣には、1,400円や2,400円。5千円台と千円台、環境のことを考えればグリーン購入適合品がいいとは思っていても、買う立場になれば「高いよ」と。理屈はわかるけれども、金額を考えると、ちょっと…、というところでしょうか。どうせ入札でやるのだから、グリーン購入製品を使ってよ、決して損ではないから、みんなが使えば安くなるのだから、環境配慮品であることを絶対条件にしてもらいたいです。
山岡
そうですね。事務機は価格が高くても、品質が良く、グリーン購入に則したものを求めますが、事務消耗品は安くてもいいという風潮は確かにありますね。事務局では、コピー用紙なら再生紙70%のものを使っていますが、台所のスポンジだと100円ショップで買ってしまうことはあります。モノによって買い分けしている消費者もいると最近思いますね。グリーン購入は生活の全てに関わっており、安心安全のためにも、積極的にグリーン製品を認定していく時期に入っているのではないかと思います。
齋藤
コピー用紙は、官公庁では100%再生紙のものをと言っているけれど、最初は違っていました。環境配慮品を広げていくことをやり続けているから、今は高いけれど、みんなが使って売れれば値段も安くなった。官公庁は皆さんの税金で運営しているので、良いものだから高くてもいいという論議は当てはまらない部分もある。だから、グリーン購入のうねりを起こし、やり続けるしかない。止めてしまったら終わりなんですよ。今、メリットは見いだせないかもしれないが、やり続ければ将来メリットになるかもしれない。だから、将来を前提に考えてやるしかない。口に入る食べ物だと、体に良いとなるとどんなに高くても買う人がいます、しかし環境となると日本では空気はタダですが、外国では違う。このことを意識する必要があります。また、日本は豊富に安く売る特技を持っているので、日本の技術、品質の良さをPRするべきです。高いものは高くていい。背広であれば価格が高く品質が良いものを、5年、10年と着るように、価格だけで決めないでほしい。まずは、売るときにこちらを買いましょうと環境配慮製品を勧める。そう言い続けて、持続させることが大事。みやぎグリーン購入ネットワークも数は力だから、会員数が減らないように、そして何が何でも存続させることですね。会費が高いという人はメリットがあるかないかで決めるけれど、そうではない。高いという人には、何を言ってもダメだと思いますよ。精神的な支えとしてどうやっていくかだと思います。
山岡
山岡事務局長正しく伝える、そうですね。これまでの繰り返しを半歩でも前に進む取り組みは何か、と事務局は模索しているところです。先日の会員交流会のように、コミュニケーションを重ねていくと忌憚ない意見が出ると思います。この会は面白い、グリーン購入を啓発していかないとならない、活動することによって持続可能な社会つくりに貢献しているという意識付け、そして一緒に御神輿を担ぎましょうよ、という思いです。楽しく面白く社会にも貢献しているネットワークにしたいと考えているのですけれどね。齋藤社長のお話を伺っていますと、何かヒントを得られますね。環境で儲けるのではなく、継続することによって得られるものは大きいという事ですね。
齋藤
そうですね。

●グリーン購入認定品をカタログに多く掲載してほしい

山岡
ところで、社長のところは仙台市の「エコにこオフィス」の認定を受けていらっしゃいますね。

仙台市:エコにこオフィスのマーク※エコにこオフィス
仙台市が地球環境への影響を考慮し、循環型社会の形成の推進を図り、より快適な生活環境をつくっていくために、ごみの減量化・リサイクルの推進に取り組む市内小売店舗を環境配慮型店舗(エコにこショップ)として、小売店舗を除く市内事業所を環境配慮型事業所(エコにこオフィス)としてそれぞれ認定することにより、市民、事業者の環境保全に対する意識の高揚を図ることを目的とする。
齋藤
はい、うちは製造業ではないので、身の回りの身近なところでしっかりやろうと、「エコにこオフィス」認定を受けて、取り組んでいます。
山岡
そうですか。
齋藤
行政でも文具類を買うときは、アスクルなどの通販のカタログやネットを見て金額を決めているようですね。
山岡
というと、現在の文具の主流はネット購入でしょうか。
齋藤
はい。お客様が金額を検討するのは通販のカタログです。通販かメーカー直接が多いです。グリーン製品はカタログにどんどん掲載しPRをして欲しいですね。
山岡
おっしゃる通りです。知ってもらうという事が大切だという事ですね。環境は生まれた時から死ぬまでに全てに関わることでゆりかごから墓場までです。本来は個人そのものの関わりで人間生きていくうえでとても重要なことで一番身近なことですが、環境となるとなぜか特別なことであるかの様に思われていますね。
齋藤
行政にいえることだけれど、宮城県と仙台市の考え方が違う。宮城県は一つのテーマを設けて、電気代などがどれくらい減ったか。仙台市はリサイクルに力を入れている。グリーン購入も最小限度のテーマで進めてほしい。県はオープンカウンター方式において、環境配慮事業者を参加資格条件としたり選定時に優遇することがありますが、仙台市はそのような対応はないようです。宮城県と仙台市はもう少し密になって欲しいと思いますね。
山岡
本当にそうですね。

●みやぎグリーン購入ネットワークについて

齋藤
会社などはグリーン購入ネットワークに入っていてもメリットがないと言っているけれど、それぞれの会社で頑張るしかないと思います。グリーン購入はそういう次元ではない。そこだけ見ると意味がないので、プライドを持ってステップアップして考えないと。グリーン購入は世界規模の論議ですね。
山岡
本当にそうですね。実際のところお付き合いで入会したところは、メリットがないと言って辞めていきます。
齋藤
環境配慮製品は作って、運んで、売って、最後はリサイクルできて循環すればいいので、どこに携わるか。上手く回すために潤滑油みたいなのが事務局の役目ですよ。その回すためのメーカーとか大企業が退会していくのはとんでもないことですよ。
山岡
担当者が異動で代わったり、トップから辞めても構わないのではないか、と言われると退会するケースが多いですね。
齋藤
そこは国としてのグリーン購入の施策、国が取り掛かる基本方針が緩いからですよ。グリーン購入が如何に大事か、力を入れていくべきですね。政治家の力を借りることも必要だと思いますね。そして、機会あるごとに学校や子ども達に対してもグリーン購入を伝えていくことです。
山岡
遊びながら学び、何が必要で何が無駄なのかを子供のころから養うことが大切という事でしょうか。仙台市は、たまきさんサロンを開設して、土日に子どもたちを対象に環境に関するワークショップを開いて好評だそうです。宮城県も環境情報センターで同じようなことを行っているようです。
齋藤
子どものうちから育てる環境教育が大切なのです。例えばグリーン購入適合品の鉛筆や紙が欲しい、と言ったらお母さんは買うでしょう。
山岡
そうですね。
齋藤
その環境教育や学習の場をみやぎGPNが企画して実行するのです。鉛筆メーカーや万年筆メーカーのプロを呼ぶのもいいです。
山岡
それは良いアイディアです。
齋藤
鉛筆を削るときは、ナイフを動かさず鉛筆を動かすと危なくないのですけれどね。体験が少ない教育環境ですよ。頭でっかちになり屁理屈だけは達者で実際には行動できない人間を作り上げています。学校、教育、行政、政治力、すべて生きていく課題ですね。何かテーマがありシリーズで実現できるものがあるといいですね。
山岡
成り立ちや歴史も含め温故知新が大切であり、伝統文化や伝統工芸などを子どもたちが楽しんで学べる場を会員企業さんとも連携しながら作っていきたいですね。例えばですが和紙と西洋紙・鉛筆とシャープペン・万年筆とボールペンなど文房具に関してシリーズ化しても本当にたくさんありますね。
齋藤
そうです。和紙に関連していえば墨や筆また鉛筆の成り立ちも話せますね。その分野のメーカーの方を呼んで話してもらうのもいいと思います。
山岡
はい、ワークショップに関わっている人たちはグリーン購入ネットワークを支援している会員企業であるとPRできればよいですね。まさに会員企業さんにとってはCSR活動の一環にもなりますね。
齋藤
グリーン購入製品の展示会や即売会を開いて、利益の一部は事務局へ渡すというのもありかと思います。一般の方に来てもらって、メディアも呼び、この製品は再生品を使っているんですよ、という展示会なら協賛するメーカーはあると思いますよ。私も協力いたしますよ。事務局に活動資金がないのは一番大変だから、そこを安定させないとなりませんね。
山岡
ご協力いただくと大変ありがたいですね。

●ボランティア精神

齋藤
話は変わりますが、私はPTA会長を1984年から務めさせていただき、宮城県PTA連合会の会長も務めました。大臣賞をいただき、全国を飛び回っていた時代もあり、その後、町内会長を務めています。泉青年会議所の理事長時代の1985年には、フィリピンと子供の絵の交換をする行事があり、200枚ほど集まったけれど、子どもは連れて行かないというので、小学5年生の息子を連れて行きました。子どもの絵の交換なのに、子どもがその場にいないのは意味がないと思ったからです。そこからボランティアも仕事の一部だな、と思うようになりました。将来を担う子どもたちに、教育をしていくことはとても大事なことで、今やそのような取り組みやボランティアは大切だと考える企業が増えています。またそのような仲間を募ることが大切です。自分だけ儲けるという考え方や自分だけで何かをやる時代ではないと思います。要するに何をするにしても連携してお互いに助け合う相互扶助の関係です。だからネットワークが必要なのです。
山岡
ネットワークも堅苦しく考えないで、足元の仕事を大事にしていきたいと思います。せっかくのご縁で会員になっていただいている企業さん同士を繋げていくことも役割として必要ですね。
齋藤
入会したら、一社連れて来れるように胸を張れるネッワークにしたいですね。
山岡
今日は齋藤社長から「おもてなしの心」そして「あついボランティア精神」を学ばせていただきました。多くのヒントも与えていただき、これを参考に子どもの環境教育、体験学習をみやぎグリーン購入ネットワークで企画したいと思います。 持続可能な社会つくりとしてのみやぎグリーン購入ネットワークを今後ともご指導よろしくお願いします。本日は大変ありがとうございました。整然としたオフィス

仙台トーホー事務機株式会社
仙台市泉区南光台2-15-32
電話 022-272-2081(代)
URL http://www.s-to-ho-j.co.jp/
対談日:平成28年12月20日(火)

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