惣水 敦彦 富士ゼロックス宮城×山岡 講子 みやぎグリーン購入ネットワーク事務局長

山岡
みやぎグリーン購入ネットワーク事務局長を務めております山岡と申します。本日はお忙しいところをお時間いただきありがとうございます。富士ゼロックス宮城さんは震災に対しての支援に尽力なさっているということを伺いました。そのあたりのお話を中心によろしくお願いします。
惣水
よろしくお願いします。
山岡
今回の震災で、富士ゼロックス宮城さんがどのような対応をなさったのでしょうか。
惣水
座談会写真今回の震災で、お役に立てたことは、阪神大震災で私自身が地震の被災したということが大きいと思います。500年の一度という阪神淡路大震災、そして1000年に一度といわれる東日本大震災を経験しました。このたびの震災では阪神淡路での被災経験を基に、この先6か月間、どのように震災に対して取り組んでいくかというグランドデザインをすぐに策定しました。
その内容は、従業員、お客様、地域という3つの“声”を中心に据えたものです。
まず従業員に対しては、24時間体制で従業員及びその家族の安否確認をしました。従業員というのは我が社のエンジンであり、地域に根ざした営業を行っているという私どものビジネスの強みそのものでもあります。安否確認については震災前から定期的に訓練を実施しておりその経験が生きて当日の把握率は93.5%に達しました。
次に地域の声についてですが、最初に公共機関や病院や学校に向けての支援を優先的に行いました。メンテナンスはもちろんですが水、毛布、食糧をトラックに積んでお配りしました。
座談会写真 最後に、お客様の声です。富士ゼロックス及び関連会社から緊急物資が届いたのですが、その物資をそれぞれ手作業で仕分けをして、1つの袋に当面必要になるであろう品々を詰め「絆パック」と名付け直接伺ってお届けし大変感謝されました。地域全体が良くならないと、ビジネスというものは一過性で終わってしまうと感じた阪神での経験を踏まえ、業績、ビジネス関係なしでできる範囲での支援を行いました。一か月は死にもの狂いでした。 絆パックをお届けし、ご無事がどうかを確認してから複合機等の状況を確認し当社にできるお手伝いはないか、お客様のご要望をきめ細かく伺う活動を続けました。
これら3つの声に対する取り組みですが、全て同時並行で行いました。このような状況で一番大事なのはスピードです。無駄な会議をせず、朝礼と夕礼で、その場で判断して対応を指示しました。決断というものは大変難しく勇気のいることですが、刻一刻と変化する中で決断を後に回してはいけません。先の見えないことも多くありましたが、とにかくスピードを大事にしました。
山岡
同時並行という行動が素晴らしいですね。問題が山積しているなか、発想を行動に移すことはなかなか難しいと思います。実行できたことは裏打ちされた経験があってこそなんでしょうね。
惣水
座談会写真そうですね。常に知識ではなく経験に基づいた知恵というものを持っておけるかということが重要だと思います。スマートフォンに代表されるように、コミュニケーションを図るための手段が発展を続けていますが、どんなに素晴らしいシステムがあったとしても使うことが出来なければ意味はありません。我が社では有事の際の安否確認の徹底や、携帯電話の補助バッテリーの備蓄、お客様の声を分析してデータベース化する仕組みなどが役に立ちました。やはり日ごろからの訓練と経験が大事だと思います。
山岡
なるほどそうですか。お話を伺いわかりましたことは日頃の訓練と経験が活かされたということでしょうか。 では次にこれから、という観点からの質問なのですが、今回の震災で学んだこと、この経験をどのように活かしているかということをお聞かせいただきたいと思います。
まずは社内全体として変わったと感じられる点はどういった点でしょうか。
惣水
効率一辺倒から総合評価方式への転換というものが感じられます。
ペーパーレスが進む中で、地震の際に紙が足りないという声を多く聞きました。通信や電気が使えない中で、安否確認や様々な伝達に紙が必要となり、全国の関連各社に紙を要請しました。このような経験から、アナログとデジタルや紙と電子のバランスを考えなければならないと感じました。
中長期的な観点を持って、地球環境が長く継続できることはもちろん大事ですが、震災が起きた際は紙やガソリンが不足したように崩れてしまいます。だからこそバランス良く、最適な判断をしていくべきだと思います。つまり効率一辺倒の価値観から、中長期、短期を踏まえた総合評価が見直されているんですね。
山岡
常に訓練が必要ということですね。ではビジネス的にお変わりになった点は何でしょうか。
惣水
変化をどのようにしてビジネスにつなげていくかというと、今までとは違うのが、システムのみの提案ではなく一歩踏み込んで、お客様の考えに応じて提案していくという風に変わりました。以前はプライバシーなどのことを考え、深く踏み込んでの提案というものではあまり無かったのですが、今はしっかりと寄り添う形での提案を心掛けています。我が社ではITソリューションを提案しておりますが、ITを「至れり尽くせり」と呼んでいます。つまりは手段としてITを扱っています。
新聞で震災の安否確認システムは40パーセントが全く作動しなかったという記事を読ませていただいたこともあり、活用方法でも提案していくべきであると考えました。
具体的には、「お客様サポートプログラム」というものをお客さまの売上増、コスト減、CSRの確保という3つの目的を経営者、ご担当者様それぞれに分けて、お客様の疑問に対して我が社ではこのようなことを行っております、ということをご提案しています。そしてお客様に実際に社内に来ていただいて、我々の会議や活動を生で見ていただいています。他にも人事制度、従業員満足度という戦略もお客様に開示して、アドバイスを行っています。社内では「言行一致」と呼んでいますが我が社の仕組みをお客様に向けてオープンにしております。
山岡
そうすると、中小企業さんの取り組みとして有効的であるとおもいますが。
惣水
我が社の商品というものは手段であって目的そのものではないですから、その目的を達成するためにサポートをしなければならないと考えました。いつでもご相談に応じております。我々の商品より、お客様にとってはそのようなサポートが重要ではないでしょうか。
無駄を省いて手間を省かずという言葉を大切にしておりまして、このようなご提案は直接売上には結びつきませんが、お客様との距離が近くなっているように思います。
山岡
中小企業向けのマネジメントシステムであるみちのくEMSでは、中小企業がほとんどですが、取得された会社がスパイラルアップするにつれ、要望や取り組み内容が多様化してきます。事務機一つとっても有効的かつ効率的に使う方法など具体的サポートはとても重要に感じます。
また、無駄を省いて手間を省かずという理念は大変素晴らしいことですね。
手間というのは長期的に考えると必ず無駄にはならないということでしょうか?
惣水
座談会写真その通りですね。無駄を省いて手間を省かずという例として、オンデマンド印刷機というものが注目されています。これはコンピュータのデータをそのまま印刷機に送り込んで直接印刷できるものです。大量に印刷をしても、結局廃棄をしてしまったり、内容に変更があったりと、無駄になることがありますよね。ですがオンデマンド印刷はこの現場で刷るため、廃棄や郵便代などの無駄が生じず、環境にも優しく、セキュリティに強いという利点があります。
山岡
印刷について日々進化しているということでしょうか?データを渡しても印刷屋さんとのすり合わせが発注する立場としてはなかなか難しいところですが。
惣水
現在PCは誰にでも使え、デジカメもとても綺麗な写真も撮れますし、きれいな構成にする方法も多くありますからね。長期的にもコストダウンになりますし、無駄を防ぐことができます。また、印刷屋さんのリスク回避としても利用なさっている場合もあるようです。感謝状を同じ文章ではなく、500名の方に500通りの形でやることも可能で、気持ちをこめて伝えたいという声をいただいております。このように震災を契機に、多くのお客様にお求めいただいております。
山岡
一人ひとりの気持ちに合わせたものが必要とされており、その対応をしっかりとしていくべきだということで、これが手間を省くなということなんですね。
惣水
その通りだと思います。先ほども申し上げました通り、効率一辺倒ではなく、手間を惜しんではいけません。 現在は震災に関して我々も全国からご支援をいただいていますが、阪神の際もそうだったように関心というもの別な方に傾いてしまいます。
忘れないで、長く我慢強く復興に向けて歩んでいくためには、メッセージ力というものが本当に必要だと思います。我々も頑張れと言われる分だけ手間を惜しまず頑張っていきたいですね。
惣水
また、我が社で無駄を省いて手間を省かずという例として、営業活動の一環で、提案の中に必ず省エネ、消費電力見える化診断のお話をしております。
山岡
見える化、というのは最近よく聞くようになりましたね。
惣水
これは、オフィスの出力にかかわるトータルコストの見える化をし、どう配置したら効率が上がり、電力の節電につながるかという診断です。横浜市とも節電対策として調査を実施いたしました。短期的に見ると、売上が低下してしまうかもしれませんが、お客様が便利になることで、一過性の「ご縁」ではなく、「絆」に繋がると考えております。
山岡
損して得取るというか、長期的な観点が大事ということですね。
今までのお話の中で、社会貢献に対する取り組みの高さというものが非常によくわかりました。
富士ゼロックス宮城が30周年を迎えるとのことで、30周年にあたり何かお考えになられていることはあるのでしょうか。
惣水
座談会写真震災への取り組みで従業員の意識の変化がありました。当事者意識ということや、何よりも復興への気持ちが大いにあります。全国のグループ各社からも、有休やボランティア休暇、会社の支援を利用して毎週20名から30名ほど気仙沼大島へボランティアをしに来ています。このようなことは本当に生きた教育にもり、将来へ繋がります。コストはもちろんかかりますが、将来起こるであろう有事にも対応が早くなると思います。
そのようなことを踏まえ、社員の意思で、この30周年を社会貢献元年にしたいと考えています。グリーン活動、ボランティア活動など、様々な社会貢献に関するものをメニュー化して提示し、そこに従業員に手を挙げてもらいたいと考えています。日ごろやっていることで様々な貢献が出来ます。それは人それぞれ違うと思います。それを会社の方で支援しようと考えています。そういうことで、30周年の紅白おまんじゅうはやめました。 (笑)
また、震災孤児へまとまったお金を拠出します。また、震災孤児への支援という趣旨に賛同していただいたお客さまに募金をお願いします。その出していた同額を我が社から出して、そのような支援を行っている団体と連携していこうと考えております。
山岡
素晴らしいお話をたくさん聴かせていただきました。お忙しいところ誠にありがとうございました。
 

前のページへ戻る>>


ページの先頭にもどる

Copyright (C) 2006 Miyagi Green Purchasing Network. All rights reserved.
掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます。
リンクについて