エコ座談会 vol.11 2014.12.1 有限会社千田清掃 代表取締役 千田信良氏 みやぎグリーン購入ネットワーク 事務局長 山岡講子

冷暖房風を動力として、電気を使わない気流攪拌装置「Wind Will」を開発して、第12回みやぎものづくり大賞でグランプリを受賞された空調企業株式会社 宮部和夫代表取締役会長と宮部和晋代表取締役社長にお話を伺いました。

山岡
本日はお忙しい中、ご対応ありがとうございます。空調企業様は、空調設備、冷暖房設備、給排水衛生設備、空調機器の販売、工事、メンテナンス全般にわたる事業をされていますが、創業40周年を迎えられたそうですね。おめでとうございます。早速ですが、会社を始められた経緯をお聞かせください。
宮部会長
宮部会長私は初めサラリーマンで、仙台に転勤のため赴任したのが昭和44年1月15日の大雪の日でした。前の会社は、ビルの設備工事の会社です。ボイラーの設備関係で、冷蔵庫、ストーブ、温風ヒーターなどを扱っていました。工場で、そうしたものづくりをしていました。札幌、仙台、東京本社、大阪、九州に営業所があり、私自身は元々つくり手です。半年工場にいて、ものづくりをしていましたが、東北6県に販売所があったので営業で回ったりもしていました。ダイエーの所が更地で、マンションが立ち始めたころでした。
山岡
山岡事務局長そうでしたか。転勤で仙台に来られて、営業で東北6県を回られていたのですね。
宮部会長
その頃はまだ、冷房は入っていませんでした。役所にも冷房は入っておらず、石炭手当(暖房手当)が出ていたころで、車にも冷房がなく、窓を開けて走っていた時代でした。そのうち、日本航空が岩沼にパイロットの訓練学校を作りましたが、ビルの設備工事の仕事にも携わりました。
山岡
そうでしたか。独立されたのはいつですか。
宮部会長
 昭和47年第一次石油ショックのときです。仙台の営業所を閉めて東京に戻って来いと指示され東京に戻りました。当然にことながら、お客様から夏や冬のボイラーの切り替えや故障の時の要望がありましたが、当時会社自体が出張に賛成しなかったので、出張ができませんでした。私としましては、困っているお得意さん達の役に立てなくて不満でした。それで、お得意さん達の「あなたがいないと困る」という一言に支えられて、会社を退職して独立しました。
山岡
そうでしたか。波に乗っている時にオイルショックで、お得意様の要望に応えるために独立されたのですね。御社は、ビルや工場の空調、メンテナンス、設備、設計施工ですが、管工事の分類で良いのでしょうか?
宮部会長
 はい、メインは管工事です。元々は水道、給排水工事をしていましたが、建物を造るときは、建設工事、管工事、電気工事の3つに大分類されます。仙台に来ておよそ46年になりますが、昭和47年に独立して昭和49年9月に会社を創業しましたので、あらかた50年仕事に携わっています。建設業に携わる工事では500万円以上から建設業許可が必要であり、管工事の改修工事などの仕事も例外ではないため、必要となる関連資格を取得しました。

第12回みやぎものづくり大賞でグランプリのWind Will

山岡
 空調機器では、みやぎものづくり大賞でグランプリを受賞されたと伺いましたが、詳しくお聞かせください。
宮部会長
はい、冷暖房風を動力とした、電気を使わない気流撹拌装置Wind Willです。
ビルの冷暖房は、冬も夏も部屋の下方が寒く、上が熱い、北側と南側でも温度差がある。そこでなんとか部屋の上下の温度を一定に出来ないかずっと考え、6、7年前に開発しました。ものづくりをしていたので、そうしたものを作りたかったのです。
山岡
そうですか、Wind Willは、宮部会長のものづくりから始まったのですね。私たちは便利で快適な生活を求め、過ごしやすくなったけれど、それとは裏腹に環境に負荷をかけてしまっています。ビルの温度設定や管理をするようになったのは、つい最近ですよね。
宮部会長
はい、Wind Willは、無駄なことをしないで、元々ある動力のみを使ってファンが付いているところに取り付けて全体を動かすので、エネルギーはかかりません。
山岡
すごいですね。それで、第12回みやぎものづくり大賞でグランプリをおとりになったんですね。
宮部会長
はい、ありがとうございます。
山岡
3.11東日本大震災の年、東京の「エコプロダクツ2011」に出展されたときも、Wind Willは、とても評判が良かったとお聞きしました。今や世界に羽ばたいているそうですが、どのような経緯なんでしょうか。
宮部会長
 温暖化の後進国におけるCO2削減のために、何かできないかと考えていたときに、JICA(ジャイカ)で事業を募集していまして、応募しましたら採択されました。それでインドネシアに進出しました。

冷暖房風を動力とした、電気を使わない気流撹拌装置 WindWill

WindWillWind Willは、電気を直接使わず、特許の二重羽根構造ファンにより空調の冷暖房風を動力源として動作するサーキュレーターです。二重羽根構造ファンは内羽根(受風)と外羽根(送風)が一体構造となっており、同時に回転しながら、それぞれが別の働きを実現するのが特徴です。
冷暖房風は空調機器本体から天井裏に設けたダクトを通じて機器に供給されて、風車が風を受けて回転するように内羽根が冷暖房風を受けて回転、外羽根が機器周辺(天井近辺)の空気を取り込み混合した風を室内に供給する事で、室内空気をかき混ぜて温度差を低減させます。
Wind Willは、空調機器から離れた冷暖房が届き難い場所に設置します。室内全体の空気がゆるやかに対流することにより、室内の温度差が低減し快適な室内環境を提供します。また、空調機器によってはショートサーキットの低減や分散空調の効果等により空調効率の向上や空調負荷の低下により省エネルギーも提供します。

JICA・・・発展登場国への技術協力、資金協力を主な業務とする外務省所轄の独立行政法人「国際 協力機構」のこと。 特殊法人の国際協力事業団が前身であり、2003年、元国連難民高等弁務官の緒方貞子氏を理事長に据え、独立行政法人として発足した。 現在、日本政府の無償資金援助の約6割程度はJICAの主導で行われている。

Wind Willインドネシアに進出

山岡
では、JICAの支援を受けてということなんですね。インドネシアの環境はどのような状況でしょうか。
宮部社長
宮部社長インドネシアにおいて、環境への意識は高まりつつあると思います。グリーンラベルという国の認定が2015年8月発足しました。前身であるGreenListingの2015年版に我社の「Wind Will」が登録され、グリーンラベルにも移行登録されると伺っています。
山岡
それは良かったですね。おめでとうございます。
宮部社長
2015年版 GreenListingはい、ありがとうございます。インドネシアの国策によって、建物の環境負荷低減で、建物の建築基準を確かなものにしようと、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズの4段階がありますが、それに該当していないと建築許可が得られない仕組みとなっています。評価は加点式であり、GeenListing登録製品を使うことで、ポイントが入る仕組みになっています。
山岡
建築の現場では、昔は環境のことは意識していないことが多かったようですが、現在は建物のランク付けになり、建築前の段階で評価しているということなんですね。
それはどこが評価するのですか。
宮部社長
Wind Willが設置されている会長室グリーンビルディング協会が認定します。
山岡
そのような機関は日本にはありませんよね?
宮部社長
日本にもありますが、インドネシアのような承認機関ではありません。日本では政府が省エネとか、ビルのエネルギー効率とかCO2の削減率とか取りまとめていますので、多くの企業は参加していないようです。メジャーでないですが、アメリカ、ヨーロッパ、オセアニアと各国に支部があります。
インドネシアは人口も増えていますし、急激に発展する中で、電気不足になりがちです。原油産油国ですが、精製技術が無いため石油などの燃料を再輸入しているので、エネルギーコストが高く、エネルギーの使用量も多くなって来ているため、省エネが必要になっています。政府の補助も企業分はカットされており、民間用も電気の補助が将来的には削減が見込まれますので、省エネへの取り組みがこれから始まります。
山岡
Wind Willに追い風ですね。ランニングコスト、イニシアルコストがかからない製品をどんどん広めていただきたいです。
宮部会長
 はい、省エネ製品ということで、広めていきたいです。
宮部社長
 はい、しかしまだ現地の民間人は省エネ意識が乏しいので、ランニングコストのメリットを謳ってもなかなか理解してくれません。大きい企業はまだ良いのですが、中小企業はイニシアルコストだけで判断するので、まだまだこれからですね。グリーンラベルや国の政策に乗れれば、意識も高くなると思います。政府機関のMEMR(エネルギー鉱物資源省)への訪問ヒアリングにて、環境政策・省エネを進めていく方針と伺っておりますので、これからです。
山岡
これまでの会長のノウハウを活かして、ビルの建設のとき設備全体の提案をしてあげるというのはどうなんですか?
宮部社長
 はい、設備の清掃やメンテナンスをするとエネルギーの効率が上がりますよ、と言ってもあまり認識がないので、保守メンテナンスなど技術的な部分でも貢献できるのではないかと、会長とも相談しています。
山岡
 目のつけどころが違いますね。そういうノウハウを持った人がヒントを与えると広がりますよね。
宮部会長
人材的交流を含めて、将来できればと話しを含めて動いています。
山岡
蓄積されたノウハウは、古い建物を活用することもできますし、国際交流も含めて期待できますね。グリーン購入ネットワークには、IGPN(国際グリーン購入ネットワーク)もあり、インドネシアも加盟していますからね。国が強力に推し進めると良いですね。Wind Willのようなファン関係は日本のグリーン購入品一覧には入っていませんが、いずれは入ってくるものと思います。

みちのくEMSについて

山岡
ところで、御社は世界に進出している中で、ISOではなく、宮城県独自のみちのくEMSを認証取得されて、環境に配慮された経営をされていますね。みちのくEMSを認証取得されていかがですか。取得されたことによって事業の拡大やメリットなどがありましたら、お聞かせください。また、今後の展開について何かありましたらお願いします。
宮部会長
はい、対外的にみちのくEMSを取得しています、と宣伝しています。もっともっと宣伝しますからね。
山岡
ありがとうございます。みちのくEMS は、地元の中小企業を対象に、仙台市や宮城県、工業会、東経連、中央会、商工会議所で構成されています。大手の企業が世界的に認証されるISOを取られるのは、それはそれでいいでしょう。しかし、我々が愛する地元のみちのくEMSは、地元の企業さんのために世界にも羽ばたかせる仕組みとなっています。世界に進出している御社がISOではなく、みちのくEMSを認証取得されたことには、本当に感謝しています。
宮部会長
 いえいえ、どういたしまして。やはり今の社会背景や環境への意識が高まり企業自身も環境配慮型経営にしていかないと出遅れてしまいます。商品の開発についてもやはり節電しなおかつ熱効率の良いものが求められ商品の開発に結びつきましたね。
山岡
国や行政機関は色々情報発信しています、その情報をキャッチする企業が少なすぎると思います。しかし、会長はアンテナを張り巡らせてそうした情報をキャッチしていますね。そして自分のノウハウをもっと広めようと意欲的です。先鞭をきるのは勇気のいることです。会長はアンテナを高くして、なおかつ努力されているのでJICAの支援やその他の機関の支援を受けられるのですね。
宮部会長
ありがとうございます。
山岡
二代目となる社長はいかがでしょうか?
宮部社長
みちのくEMSのことを申し上げれば、以前は手直しの際には、労務・材料などの直接的な経費負担増との認識でしたが、今回ご指導いただいた更新審査のときなどは環境負荷も伴う、との認識を持つ社員が増えましたし、産廃の収集運搬の許可も取っていますが、運搬や収集の注意点の認識も高まりました。また、みちのくEMSとのつながりで、ジャパンクリーン様の産業廃棄物処理場を当社と工事協力会社の技術研修会時に見学をさせていただいて、いい意識改革の向上になったと喜んでもらえています。そうしたところで、みちのくEMSに取り組んで良かったと思っています。
山岡
ありがとうございます。みちのくEMSのメリットを良く把握されていて、一つの武器として利用されているのですね。それで社員の意識が高くなって会社にとっても良いことであればすごいメリットですよね。二代目もさすが考えていらっしゃいますね。
いいものを世界的に広めるには、一つの会社でやるには無理があるので、人脈を活かしたみやぎグリーン購入ネットワークやみちのくEMSを活用していただきたいと思います。私たちの役割というのは、会員さんにスポットを当ててその会員が伸びていくように、会員同士が手を組んでビジネスマッチをしていただけるような、そうしたお手伝いができれば嬉しいです。
今日は、お忙しいところ大変ありがとうございました。

空調企業株式会社 営業本部
仙台市青葉区一番町3-7-1 電力ビル別館5F
電話 022-797-9311(代)
URL http://www.ace-cl.jp/

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